第2章 まさにビッグ・バンの取り組み・・・・・

導入の対象となるシステムは販売(受注、出荷)生産、購買、会計、全農EDIをすべてカバーするものでまさしく、ビッグ・バンでした。また、経理や各事業所の事務担当者が伝票をまとめて入力する古いやり方から各人が伝票入力する方法に変えるため、経費入力に関しては感覚的に誰でも入力ができるフロントエンドのシステムを追加することとしました。



第2章-1 最適なERPパッケージとは・・・・・

このような状況でパッケージ選びにあたっては以下のことを念頭におきました。



第2章-2 まず業務の詳細と特徴把握のために・・・・・

まず、パッケージの選定に先立って、やはり現行業務を理解していないことにははじまらないので、すでに、簡単に営業業務の流れについては以前ヒヤリングをしていたものの生産、購買なども含め詳細のヒヤリング(合宿形式での討論などで)をおこなうことにしました。


  1. 生産の業務調査
    製造プロセスの特徴及び製造実績・在庫・入出庫等の製造業務実態と経費支出や労務実態・原価計算の流れについて調査
  2. SCM業務と販売業務の調査
    生産調整・計画業務、購買業務(本社購買・地方購買の統一)、販売業務などを調査
  3. 販売計画・生産計画・購買計画立案のプロセス調査
  4. 会計処理
  5. 経営サイドから必要な情報


第2章-3 SIベンダーとパッケージ選択作業・・・・・・

次に、これらの調査に基づき、ERPパッケージ条件とRFP(ベンダーの提案を得るための要件)を作成しました。システム部門をもたない協友アグリ様にとって、RFPの作成は社内でおこなうことができず、システム導入管理に長年の経験をもつ私が頼りにされたわけです。RFPが正しく作れるかどうかによって、その後の納期管理、予算管理ひいてはプロジェクトの成否にもかかわる重要な作業でした。

いくつかのベンダーへRFPをぶつけた結果、日本インフォア・グローバル・ソリューションズ株式会社様のLX(旧BPCS)というパッケージに決定しました。


第2章-4 なぜLX(旧BPCS)を協友アグリ様に推薦したのか・・・・・

私がいくつものパッケージの中からLXを推薦させてもらった理由は下記のようなものでした。



システム構築のプロジェクト開始にあたって、協友アグリ様とパッケージベンダーである日本インフォア様とは次のことをお互いに前提としてプロジェクトを開始させてもらいました。これらのことが成功の鍵のひとつとであったと思います。


『パッケージを素のままで使用し、パッケージ機能をカスタマイズしない』
『パッケージが持つ業務機能をそのまま使って新業務を行う』



第2章-5 8カ月でビッグバーンのERP導入を完了、費用も安価に・・・・・

結果として2010年5月には予定どおり、予算内で新システムを稼働することができました。本格的なプロジェクト開始から8カ月間で導入できたことになります。